住まいを失った住宅確保要配慮者に対する賃貸物件再入居時の差別の実態とその意識についての研究

本研究では、要配慮者への入居促進が謳われるなか、実際には入居時の何らかの差別課題が存在している。そこで、物件選定や入居時のさまざまな差別の実態や意識等の課題を明らかにし、要配慮者への住まい確保サポートや、市民の居住への権利擁護活動として、ソーシャルワーカー等の具体的支援活動への基礎研究となることを目的とした。

筆者が支援に関わった岡山市内での単身居住を継続している人たちの住まい状況等の分析を行った。また岡山県宅地建物取引業協会会員への要配慮者の入居時に関するアンケート調査を実施した。入居者は環境因子によると思われる騒音や設備の問題、建物自体の老朽化など、また近隣者とのトラブルなどを抱えていた。他方で、家主による要配慮者への入居拒否の要因や、入居の際の条件などが明らかとなった。こうした入居に際しての要件は偏見や差別的な要素は少なくないと言えず、仲介業者や入居支援する団体なども拒否できないことなどから、構造的な差別の課題が考えられた。借主自身の権利を理解促進や、貸主等への権利の訴えといった、ソーシャルワークにおけるアドボカシー機能があり、ソーシャルワーカーには重要な機能と考えられた。

担当研究者 特定非営利活動法人岡山きずな 新名雅樹
研究期間 2020年10月1日~2021年3月31日