外国人女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツにおける基盤整備
本研究は、広島を中心として中四国地方における外国人女性の性教育と妊娠と出産のライフステージをサポートする支援体制の構築に係る研究を実施する。移民の長期化が進む中で、自然発生的に起こる再生産過程の基盤づくりは当然といえる。この基盤づくりのための支援体制は不十分と言わざるを得ず、場当たり的に行政、女性支援団体、保健師などが個別に相談を行い、包括的に問題を解決することができないまま膨大な時間と労力を必要とする現状にある。孤立出産に陥る人、中絶を選ばざるを得ない外国人女性の現状が漏れ聞こえる現在、これを放置していては、日本の悪評を高めるだけでなく、外国人の人権への意識配慮に欠けるとして、国際問題になりかねない事案である。外国人女性たちは日本における避妊や中絶方法、出産についての情報など、母国との相違について理解しておらず、現場では混乱が生じている。さらには、違法中絶薬の使用など法律に抵触する人も出てきている。こうしたSRHRに係る情報を集積して正しい知識を伝え、妊娠・出産においては一元的に支援できるための組織づくりに寄与する。
研究担当者:広島文教大学 人間科学部 グローバルコミュニケーション学科 教授 岩下 康子
研究期間:2024年4月1日~2025年3月31日
研究についてのお問い合わせ:yiwashita@h-bunkyo.ac.jp
ホームページ:https://www.h-bunkyo.ac.jp/university/